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第1章 貿易とは何か ・ レッスン1-5数字で見る日本の貿易。主な輸出入品と相手国
読む時間の目安: 5分 ・ 公開日 2026-10-03
前回の復習(1分)
本文に入る前に、前のレッスンの内容を思い出してみましょう。
Q1. 日本の輸入通関で、輸入者が納める必要がある税の組み合わせとして正しいものはどれですか。
答えを見る
正解: 2. 関税、内国消費税、地方消費税
税関の説明では、納める必要がある場合は関税、内国消費税、地方消費税を納付して輸入の許可を受けます。
Q2. 日本で通関業を営むために必要なものはどれですか。
答えを見る
正解: 2. 財務大臣の許可
通関業法により、通関業を営むには財務大臣の許可が必要です。許可を受けた事業者を通関業者といいます。
このレッスンの学習目標
- 貿易統計が何をもとに作られる統計かを説明できる
- 2025年の日本の輸出入額と貿易収支のおおよその規模を言える
- 主な輸出品・輸入品と主な相手国を挙げ、自分で統計を調べる方法がわかる
要点
- 貿易統計とは、税関に提出された輸出入申告書などを集計して、財務省が作成・公表する統計のことです。
- 2025年(令和7年)の確々報値では、輸出が約110.4兆円、輸入が約113.3兆円で、貿易収支は約2.9兆円の赤字でした。
- 輸出で最も大きい品目は自動車(約17.6兆円)で、半導体等電子部品、半導体等製造装置が続きます。
- 輸入では原油及び粗油(約9.6兆円)と液化天然ガス(約5.7兆円)が大きく、医薬品や通信機も上位に入ります。
- 国別では、輸出先の1位がアメリカ、輸入元の1位が中国です。数字は財務省の貿易統計検索ページで誰でも調べられます。
01貿易統計とは何か
貿易統計とは、税関に出された輸出入申告書などを集計して財務省が作る統計です。日本の貿易の金額と数量を、品目別・国別に示します。
前のレッスンまでで、輸出も輸入も税関への申告が必要だと学びました。その申告書を集計したものが貿易統計です。どの品物が、どの国と、いくら取引されたかがわかります。ただし20万円以下の少額貨物などは計上されません。
金額の数え方にも決まりがあります。輸出はFOB価格、輸入はCIF価格で計上されます。輸入額には、日本までの運賃と保険料が含まれるということです。FOBとCIFは第4章のインコタームズで詳しく学びます。
数字は一度で決まらず、速報のあとに確報・確々報・確定と順に発表されます。このレッスンの数字は、2025年(令和7年)の年間、財務省貿易統計の確々報値です。2026年3月12日に財務省が公表しました。
022025年の輸出入総額と貿易収支
2025年の日本の輸出は約110.4兆円、輸入は約113.3兆円でした。輸入が輸出を上回ったため、貿易収支は約2.9兆円の赤字です。
輸出額は110兆4005億円で、前の年より3.1%増えました。輸入額は113兆3301億円で、0.5%の増加です。輸出から輸入を引いた差額を貿易収支といい、2025年はマイナス2兆9296億円でした。
赤字の幅は前の年の約5.6兆円から、ほぼ半分に縮みました。原油や石炭など鉱物性燃料の輸入額が、前の年より13.2%減ったことが影響しています。
ニュースでは「経常収支」という言葉も出てきます。経常収支は、国際収支統計の項目です。モノの貿易収支に、サービス収支や海外からの配当・利子などを合わせたものです。貿易統計とは別の統計なので、混同しないようにしましょう。
03主な輸出品と輸入品
輸出の最大品目は自動車で、半導体関連が続きます。輸入では原油とLNGなどのエネルギーが最大で、医薬品や通信機も大きな割合を占めます。
輸出の主な品目は次のとおりです。1つ目は自動車で約17.6兆円、輸出全体の16.0%を占めます。2つ目は半導体等電子部品で約6.6兆円、3つ目は半導体等製造装置で約4.5兆円です。ほかに鉄鋼(約3.9兆円)や自動車の部分品(約3.7兆円)も上位に入ります。
輸入の主な品目は次のとおりです。原油及び粗油が約9.6兆円、液化天然ガス(LNG)が約5.7兆円、医薬品が約5.2兆円、通信機が約4.7兆円です。原油や石炭を含む鉱物性燃料は合計約22.1兆円で、輸入全体の19.5%にあたります。
日本は資源を輸入し、自動車や機械など付加価値の高い工業製品を輸出する構造です。ただ輸入でも、医薬品や通信機、パソコンなどの電算機類が大きな金額になっています。
04主な貿易相手国
2025年の輸出先1位はアメリカ(約20.4兆円)、2位は中国(約18.8兆円)です。輸入元1位は中国(約26.7兆円)、2位はアメリカ(約12.9兆円)です。
輸出では、アメリカ向けが約20.4兆円、中国向けが約18.8兆円で、台湾向け(約7.9兆円)が続きます。アジア全体への輸出は約59.9兆円で、輸出全体の半分を超えます。
輸入では、中国からが約26.7兆円で群を抜いています。2位はアメリカの約12.9兆円、3位はオーストラリアの約6.8兆円です。中東からの輸入は約11.5兆円で、そのうち約9.1兆円が原油及び粗油です。日本の原油輸入の大部分を中東が占めています。
相手国ごとに収支も違います。アメリカとの間では約7.5兆円の黒字、中国との間では約7.9兆円の赤字でした。
05自分で貿易統計を調べるには
財務省の「貿易統計」サイトにある検索ページを使えば、品目別・国別の輸出入額を誰でも無料で調べられます。
貿易統計の品目は、9桁の統計番号ごとに集計されています。番号は輸出統計品目表や輸入統計品目表(実行関税率表)で調べます。番号がわからない場合は、自動車や医薬品のような一般的な名前でまとめた「概況品」の検索表が便利です。
年間の数字を知りたいときは、12月のデータを検索し、累計の欄を見ます。報道発表資料のPDFでも、年分の総額や主要品目、国別の数字を確認できます。自社の商品がどの国にどれだけ輸出されているかを調べると、市場調査の第一歩になります。
KEYWORDSキーワード(日本語・英語)
このレッスンで覚えておきたい用語です。貿易の書類や契約は英語が中心なので、英語名も一緒に覚えましょう。
税関に提出された輸出入申告書などを集計し、財務省が作成・公表する統計。
輸出額から輸入額を引いた差額。輸出が多ければ黒字、輸入が多ければ赤字。
国際収支統計の項目。貿易・サービス収支、第一次所得収支、第二次所得収支の合計。
速報・確報のあとに公表される、見直し済みの貿易統計の数値。さらにあとで確定値が出る。
輸出港で船に積むまでの価格。貿易統計の輸出額はこの価格で計上する。
輸入港までの運賃と保険料を含む価格。貿易統計の輸入額はこの価格で計上する。
いくつかの統計番号をまとめ、一般的な名称を付けた品目の分類。
貿易統計で品目を分類する9桁の番号。統計品目表で調べる。
出典
LESSON 1-5 の仕上げ
確認クイズ(全3問)
読んだ直後に思い出すと、記憶に残りやすくなります。選択肢をタップして答えてください。
Q1. 財務省の貿易統計は、主に何をもとに作られていますか。
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正解: 2. 税関に提出された輸出入申告書など
貿易統計は、税関に提出された輸出入申告書などを集計して作られます。ただし20万円以下の少額貨物などは計上されません。
Q2. 2025年(確々報値)の日本の貿易について、正しいものはどれですか。
答えを見る
正解: 2. 輸入が輸出を上回り、貿易収支は約2.9兆円の赤字だった
輸出は約110.4兆円、輸入は約113.3兆円で、貿易収支は約2.9兆円の赤字でした。
Q3. 2025年の日本の輸入元として1位だった国はどこですか。
答えを見る
正解: 3. 中国
輸入元の1位は中国で約26.7兆円でした。アメリカは輸入元では2位ですが、輸出先では1位です。
レッスン1-5はここまでです
クイズで迷った問題があれば、その見出しの本文を読み直してから次に進みましょう。