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第2章 貿易のルールと法律 ・ レッスン2-1外為法とは。輸出入を規制するしくみ
読む時間の目安: 5分 ・ 公開日 2026-10-03
前回の復習(1分)
本文に入る前に、前のレッスンの内容を思い出してみましょう。
Q1. 2025年の日本の輸入元として1位だった国はどこですか。
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正解: 3. 中国
輸入元の1位は中国で約26.7兆円でした。アメリカは輸入元では2位ですが、輸出先では1位です。
Q2. 信用状取引で、輸出者が代金を回収する方法として正しいものはどれですか。
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正解: 3. 為替手形にB/Lなどの船積書類を添えて銀行に持ち込み、買い取ってもらう
為替手形に船積書類を添えた荷為替手形を銀行に提示し、買い取ってもらうことで代金を受け取ります。書類が信用状の条件と食い違うと、原則として買い取りに応じてもらえません。
このレッスンの学習目標
- 外為法の目的と「原則自由・必要最小限の管理」という考え方を説明できる
- 輸出貿易管理令と輸入貿易管理令の役割、許可・承認・輸入割当の違いがわかる
- 外為法以外の法律(他法令)による規制と、税関での確認のしくみを説明できる
要点
- 外為法とは、外国為替及び外国貿易法の略で、対外取引を原則自由としたうえで必要最小限の管理を行うための法律のことです。
- 輸出の規制は輸出貿易管理令、輸入の規制は輸入貿易管理令という政令で具体的に定められ、所管は経済産業大臣です。
- 輸出では、平和と安全の維持のための「許可」と、条約の履行などのための「承認」があります。
- 輸入では、輸入公表で示された貨物に「承認」が必要で、にしんやたらなどの輸入割当品目は数量の割当てを受けてから承認を申請します。
- 外為法以外にも、食品衛生法や植物防疫法など多くの法律(他法令)が輸出入を規制し、税関は申告のときにその許可・承認を確認します。
01外為法の目的は「原則自由、必要最小限の管理」
外為法は、対外取引が自由に行われることを基本とし、必要最小限の管理や調整を行う法律です。平和と安全の維持や、日本経済の健全な発展が目的です。
外為法の正式名称は「外国為替及び外国貿易法」です。名前のとおり、外国とのお金のやりとり(外国為替)と、モノの売り買い(外国貿易)の両方を対象にしています。この講座では、貿易にかかわる部分を中心に見ていきます。
第1条では、対外取引は自由に行われることが基本だと定めています。そのうえで必要最小限の管理を行い、日本と国際社会の平和や安全の維持、日本経済の健全な発展をめざすとしています。
輸出についても第47条で、法律の目的に合う限り、最少限度の制限のもとで認めると定めています。つまり貿易は自由が原則で、規制は例外です。どの貨物が例外にあたるかを知ることが、実務では大切になります。
02輸出の規制。輸出貿易管理令による許可と承認
輸出の規制は、輸出貿易管理令という政令で具体的に定められています。平和と安全にかかわる貨物は経済産業大臣の「許可」、それ以外の一部の貨物は「承認」が必要です。
外為法は大きな枠組みだけを決め、細かな対象は政令(内閣が定めるルール)に任せています。輸出については、輸出貿易管理令(輸出令)が、許可や承認が必要な貨物と仕向地(貨物を送る先の国・地域)を定めています。
許可は、国際的な平和と安全の維持を妨げるおそれのある貨物が対象です。武器や、兵器の開発に使われるおそれのある製品などがこれにあたります。この安全保障貿易管理は、次のレッスン2-2で詳しく学びます。
承認は、条約などの国際約束を守るためや、外国貿易と国民経済の健全な発展のためなどに課されます。税関の資料では、輸出令の主な対象品目として、武器のほか、ワシントン条約該当物品や特定有害廃棄物が挙げられています。制裁で輸出が禁止された貨物も含まれます。
03輸入の規制。輸入公表と輸入割当
輸入の規制は輸入貿易管理令で定められ、経済産業大臣が「輸入公表」で示した貨物には輸入承認が必要です。輸入割当品目は、先に数量の割当てを受けてから承認を申請します。
輸入貿易管理令(輸入令)では、経済産業大臣が、承認が必要な貨物の品目や原産地などを定めて公表します。これを輸入公表といいます。公表された貨物を輸入する人は、経済産業大臣の輸入承認を受けなければなりません。承認の有効期間は原則6か月です。
輸入割当(IQ)は、品目ごとに輸入できる数量に上限を設ける制度です。割当ては原則として数量で行われます。ジェトロによると、水産物ではたら、ほたて貝、こんぶなどが対象です。割当てを受けた範囲で輸入承認を申請します。
ワシントン条約(絶滅のおそれのある野生動植物の国際取引を規制する条約)の対象も、輸出令と輸入令で規制されています。附属書Ⅰの種を学術目的などで輸入するときは、経済産業大臣の輸入承認証が必要です。
04外為法以外の法律(他法令)と税関の確認
輸出入は外為法のほか、食品衛生法や植物防疫法など多くの法律でも規制されています。これらを他法令といい、許可・承認を受けたことを税関で証明しないと、輸出入は許可されません。
税関では、関税に関する法律以外で、輸出入の許可・承認などを定めた法律を「他法令」と呼びます。たとえば輸入では、すべての飲食物や食器、おもちゃなどに食品衛生法がかかわります。植物や果実には植物防疫法、医薬品や化粧品には医薬品医療機器等法がかかわります。
他法令で許可や承認が必要な貨物は、輸出入の申告や検査のときに、許可・承認を受けたことを税関に証明しなければなりません。証明がなければ、税関は輸出入を許可しません(関税法第70条)。他法令の規制は、税関の許可制と結びつけて守られるしくみです。
違反した場合、外為法では、経済産業大臣が一定期間の輸出入を禁止できます。なお、自分の貨物が規制にあたるかどうかは、税関ではなく各法律を担当する省庁に確認します。通関の流れ全体は第10章で学びます。
KEYWORDSキーワード(日本語・英語)
このレッスンで覚えておきたい用語です。貿易の書類や契約は英語が中心なので、英語名も一緒に覚えましょう。
対外取引を原則自由とし、必要最小限の管理を行うための日本の法律。輸出入の規制の土台になる。
外為法にもとづき、経済産業大臣の許可や承認が必要な輸出貨物と仕向地を定めた政令。
外為法にもとづき、輸入承認や輸入割当のしくみを定めた政令。
経済産業大臣が、輸入割当や輸入承認が必要な貨物の品目・原産地などを定めて公表したもの。
品目ごとに輸入できる数量(または金額)の上限を割り当てる制度。割当てを受けてから輸入承認を申請する。
関税に関する法律以外で、輸出入の許可・承認などを定めた法律。食品衛生法、植物防疫法など。
絶滅のおそれのある野生動植物の国際取引を規制する条約。日本では輸出令・輸入令に反映されている。
出典
LESSON 2-1 の仕上げ
確認クイズ(全3問)
読んだ直後に思い出すと、記憶に残りやすくなります。選択肢をタップして答えてください。
Q1. 外為法の考え方として、正しいものはどれですか。
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正解: 2. 対外取引は自由に行われることを基本とし、必要最小限の管理や調整を行う
外為法第1条は、対外取引が自由に行われることを基本とし、必要最小限の管理や調整を行うと定めています。外国為替と外国貿易の両方が対象です。
Q2. 輸入割当(IQ)品目を輸入するときの手順として、正しいものはどれですか。
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正解: 1. 輸入割当を受けた後に、輸入承認を申請する
輸入貿易管理令では、輸入割当品目は先に経済産業大臣から割当てを受け、その後で輸入承認を受ける順番になっています。
Q3. 食品衛生法などの他法令で許可・承認が必要な貨物について、正しいものはどれですか。
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正解: 3. 許可・承認を受けたことを税関に証明しないと、輸出入は許可されない
関税法第70条により、他法令の許可・承認を受けたことを税関に証明しなければ輸出入は許可されません。規制にあたるかどうかは、各法律を担当する省庁に確認します。
レッスン2-1はここまでです
クイズで迷った問題があれば、その見出しの本文を読み直してから次に進みましょう。