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第7章 海上輸送 ・ レッスン7-1

定期船と不定期船、コンテナ船のしくみ

読む時間の目安: 5分 ・ 公開日 2026-10-04

前回の復習(1分)

本文に入る前に、前のレッスンの内容を思い出してみましょう。

レッスン6-3から

Q1. 分割して船積みする予定で、代金の入金日もはっきりしない輸出取引に向いている為替予約の決め方はどれですか。

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正解: 1. 期間渡し(暦月渡しなど)
期間渡しは、決めた期間中ならいつでも、また何回かに分けて実行できます。入金日がずれそうな取引や分割船積みの取引に便利です。確定日渡しは実行日が1日に決まります。

レッスン6-1から

Q2. 説明用の例として、ある日の米ドルの相場がTTS 151円、仲値150円、TTB 149円だったとします。輸出者が受け取った代金2万ドルを、この日に円に替えると何円になりますか。

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正解: 3. 298万円
外貨を円に替えるのは銀行が外貨を買う取引なので、TTBが使われます。2万ドル×149円=298万円です。302万円はTTS、300万円は仲値で計算した金額です。

このレッスンの学習目標

要点

  1. 定期船とは、寄港地や日程をあらかじめ決め、公表したスケジュールに沿って運航する船のことです。不定期船は、寄港地や日程を決めずに、荷主の依頼に応じて運航します。
  2. 定期船は多くの荷主の小口貨物をまとめて運び、その大半は国際規格のコンテナを専門に運ぶコンテナ船です。
  3. 不定期船は、鉱石・穀物・原油などの大口貨物を運びます。荷主は船の全部または一部を借り切る用船契約を結びます。
  4. 定期船を使うときは、船会社に船のスペースを申し込みます。これを船腹予約(ブッキング)といい、フォワーダーを通して手配することもあります。
  5. コンテナターミナルは海上輸送と陸上輸送をつなぐ港の施設で、輸出入の許可前の貨物を置ける保税地域でもあります。

01定期船と不定期船。運航のしかたで2つに分かれる

外航の貨物船は、運航のしかたで定期船と不定期船に分かれます。定期船は決まった航路と日程で運航し、不定期船は荷主の依頼に応じて運航します。

第1章では、船会社が自ら船を持って貨物を運ぶ実運送人であることを学びました。このレッスンでは、その船がどのように運航されているかを見ていきます。

日本の海上運送法は、船の運航事業を定期航路事業と不定期航路事業に分けています。定期航路事業とは、決まった航路に船を就航させ、日程表に従って運ぶことを公示して行う事業です。不定期航路事業は、それ以外の運航事業です。

公正取引委員会の報告書も同じように整理しています。定期船は、寄港地や寄港日をあらかじめ決め、公表した運航スケジュールに沿って運航します。不定期船は、寄港地や寄港日を決めずに運航します。

02定期船の主力はコンテナ船

定期船は、多くの荷主の貨物をまとめて運ぶ船です。その大半を、国際規格のコンテナを専門に運ぶコンテナ船が占めています。

定期船(ライナー)は、船会社が不特定多数の荷主から貨物を集め、配船表(シッピング・スケジュール)に沿って運航する船です。主に小口の貨物を運ぶのに使われます。商法では、このように個々の貨物を運ぶ契約を個品運送契約と呼びます。

定期船には、コンテナ船のほか、コンテナを使わずに貨物を直接積む在来型貨物船も使われます。ただ、公正取引委員会によると、総トン数で見ると定期船の大半はコンテナ船です。国土交通省中部運輸局も、コンテナ船を国際定期航路の主力で、貨物船の中で最も速い船と説明しています。

海上コンテナの大きさは、長さ20フィート(約6m)と40フィート(約12m)が主流です。一般の貨物を運ぶドライコンテナのほか、冷凍・冷蔵食品を運ぶリーファーコンテナもあります。国土交通省は、海上コンテナは海と陸をつないで効率よく一貫輸送できるため、国際物流の中心になっていると説明しています。

03不定期船。大口の貨物を用船契約で運ぶ

不定期船は、鉱石・穀物・原油などの大口貨物を、荷主の依頼に合わせて運ぶ船です。荷主は、船の全部または一部を借り切る用船契約を結びます。

不定期船(トランパー)には、運ぶ貨物に合わせた専用船が使われます。鉱石や穀物をばら積みで運ぶドライバルク船、原油などを運ぶタンカー、LNG船、自動車を運ぶ自動車専用船などです。ばら積みとは、貨物を包装せずにそのまま船倉に積み込むことです。

不定期船を使う運送では、荷主が船の全部または一部を借り切ります。これを用船(傭船)といいます。荷主は、直接または用船の仲立人を通して、運賃や船積港、荷役の条件などを船会社と交渉します。合意すると、用船契約書(チャーター・パーティー)を交わします。

商法は、船の全部または一部を対象にする運送契約を航海傭船契約と定めています。また、船員が乗った船を一定の期間借りる定期傭船契約もあります。ジェトロ大分の情報誌のコラムは、日本の輸出は多品種少量が多く、用船による運送はあまり使われないと説明しています。

04船腹予約(ブッキング)。船のスペースを申し込む

定期船を使うときは、船会社に船のスペースを申し込みます。これを船腹予約(ブッキング)といい、船会社が承諾すると運送契約が成立します。

輸出者は、船積港・仕向港・契約で決めた船積みの時期などを考えて、配船表から適当な船を選びます。そして、船会社に船腹(船の積載スペース)の予約を申し込みます。船会社が承諾すると個品運送契約が成立し、船会社はその証拠となる船荷証券(B/L)を発行します。B/Lはレッスン7-3で学びます。

運送契約の相手は船会社に限りません。公正取引委員会によると、荷主が直接船会社と契約する場合と、フォワーダーと契約する場合があります。後者では、フォワーダーが別に船会社と契約し、港から港までの輸送は船会社が行います。

運送契約を結ぶのが売り手か買い手かは、取引条件で決まります。CFRやCIFでは輸出者が、FOBやFCAでは原則として輸入者が結びます。公正取引委員会の調査では、荷主は運賃の水準、運航スケジュール、スペースの確保を重視して船会社を選んでいます。運賃のしくみはレッスン7-4で学びます。

05コンテナターミナル。海と陸をつなぐ港の施設

コンテナ船は、港のコンテナターミナルでコンテナを積み降ろしします。ターミナルは海上輸送と陸上輸送をつなぐ施設で、保税地域でもあります。

コンテナターミナルでは、船を岸壁につなぎ、ガントリークレーンという大型のクレーンでコンテナを積み降ろしします。ガントリークレーンは、岸壁に沿って敷かれたレールの上を走ります。

船から降ろしたコンテナは、コンテナヤード(CY)に一時保管され、トレーラーに積まれて運び出されます。国土交通省中国地方整備局のサイトで公開されている資料によると、ターミナルは保税地域です。輸出入の許可前の貨物が置かれるため、一般の人は簡単には入れません。

小口の貨物をまとめてコンテナに詰めるCFSや、コンテナ貨物が港でどう流れるかは、レッスン7-2で学びます。

KEYWORDSキーワード(日本語・英語)

このレッスンで覚えておきたい用語です。貿易の書類や契約は英語が中心なので、英語名も一緒に覚えましょう。

定期船(ライナー)Liner

寄港地や寄港日をあらかじめ決め、公表した運航スケジュールに沿って運航する船。多くの荷主の小口貨物をまとめて運ぶ。

不定期船(トランパー)Tramp

寄港地や寄港日を決めずに、荷主の依頼に応じて運航する船。鉱石・穀物・原油などの大口貨物を運ぶ。

コンテナ船Container ship

国際規格の海上コンテナを専門に運ぶ船。定期船の大半を占め、国際定期航路の主力。

在来型貨物船Conventional cargo ship

コンテナを使わずに、貨物を直接船に積み込む貨物船。

用船契約(傭船契約)Charter party

荷主が船の全部または一部を借り切って貨物を運ぶ契約。不定期船の運送で使われる。

船腹予約(ブッキング)Booking

船会社に船の積載スペースを申し込むこと。船会社が承諾すると運送契約が成立する。

ばら積みBulk

貨物を包装せずに、そのまま船倉に積み込むこと。鉱石・穀物・石炭などで使われる。

コンテナターミナルContainer terminal

コンテナ船を岸壁につなぎ、コンテナを積み降ろしする港の施設。海上輸送と陸上輸送をつなぎ、保税地域でもある。

出典

  1. e-Gov法令検索「海上運送法」(第2条。定期航路事業と不定期航路事業の定義)
  2. e-Gov法令検索「商法」(第704条 定期傭船契約、第737条 個品運送契約、第748条 航海傭船契約)
  3. 公正取引委員会「外航海運に係る独占禁止法適用除外制度の在り方について」報告書(平成28年2月。定期船・不定期船、コンテナ船、運送契約の相手方、利用船社の選定基準)
  4. ジェトロ大分「OITA TRADE & VIEWS」2022年5月号 貿易協会シリーズ「輸出取引の仕組み(14)」(個品運送と定期船、傭船契約と不定期船、船腹予約)
  5. 国土交通省 中部運輸局「船の種類とその特徴(その1)」
  6. 国土交通省「第4回国際海上コンテナの陸上運送に係る安全対策会議の開催について」(報道発表資料)
  7. 国土交通省 中国地方整備局(中国地方国際物流戦略チーム)コンテナターミナルの仕事を紹介するパンフレット(2022年5月。保税地域、岸壁、ガントリークレーン、コンテナヤード)

LESSON 7-1 の仕上げ

確認クイズ(全3問)

読んだ直後に思い出すと、記憶に残りやすくなります。選択肢をタップして答えてください。

Q1. 定期船の説明として、正しいものはどれですか。

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正解: 2. 寄港地や寄港日をあらかじめ決め、公表したスケジュールに沿って運航する
定期船は、寄港地や寄港日をあらかじめ決め、公表した運航スケジュールに沿って運航します。荷主の依頼に応じて運航し、大口貨物を用船で運ぶのは不定期船です。

Q2. 日本のメーカーが、穀物を船1隻分まとめて輸入することになりました。一般的に使われる運送の形はどれですか。

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正解: 1. 不定期船を、用船契約で借り切って運ぶ
穀物や鉱石などの大口のばら積み貨物は、不定期船で運ぶのが一般的です。荷主は船の全部または一部を借り切る用船契約を結びます。定期のコンテナ船は、主に小口の貨物に使われます。

Q3. 船腹予約(ブッキング)について、正しいものはどれですか。

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正解: 3. 船腹予約は船のスペースの申込みで、船会社が承諾すると運送契約が成立する
船腹予約は、船会社に船の積載スペースを申し込むことで、承諾されると運送契約が成立します。フォワーダーを通して手配することもできます。誰が運送契約を結ぶかは、CIFなら輸出者のように取引条件で決まります。

レッスン7-1はここまでです

クイズで迷った問題があれば、その見出しの本文を読み直してから次に進みましょう。

第7章 海上輸送 のレッスン一覧
  1. 7-1定期船と不定期船
  2. 7-2FCLとLCL
  3. 7-3船荷証券(B/L)
  4. 7-4海上運賃とサーチャージ

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