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第7章 海上輸送 ・ レッスン7-2FCLとLCL。コンテナ貨物の流れ(CY・CFS)
読む時間の目安: 5分 ・ 公開日 2026-10-04
前回の復習(1分)
本文に入る前に、前のレッスンの内容を思い出してみましょう。
Q1. 定期船の説明として、正しいものはどれですか。
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正解: 2. 寄港地や寄港日をあらかじめ決め、公表したスケジュールに沿って運航する
定期船は、寄港地や寄港日をあらかじめ決め、公表した運航スケジュールに沿って運航します。荷主の依頼に応じて運航し、大口貨物を用船で運ぶのは不定期船です。
Q2. 為替相場が1ドル=150円から1ドル=140円になりました(説明のための例)。正しい説明はどれですか。
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正解: 2. 1ドルを買うのに必要な円が減ったので、円高になった
1ドルに必要な円が150円から140円に減ったので、円の価値が上がった円高です。数字が小さくなるのに円高と呼ぶ点に注意しましょう。
このレッスンの学習目標
- FCLとLCLの違いと、どちらを選ぶかの判断材料を説明できる
- CYとCFSの役割の違いを説明できる
- FCLとLCLの輸出・輸入の流れを、バンニングとデバンニングを誰がどこで行うかで説明できる
要点
- FCLとは、1つの荷主の貨物でコンテナ1本を満たす貨物のことです。LCLは、コンテナ1本に満たない小口貨物で、他の荷主の貨物と一緒に1本にまとめて運びます。
- CYはコンテナの受け渡しと保管をする場所で、主にFCL貨物を扱います。CFSは、小口貨物をコンテナに詰めたり取り出したりする施設です。
- FCLでは荷主側が空コンテナを借りて貨物を詰め、実入りコンテナをCYに運びます。LCLでは貨物をCFSに持ち込み、CFSのオペレーターが他の貨物とまとめて詰めます。
- 輸入では、FCLはCYでコンテナごと引き取り、貨物を取り出して空コンテナを返します。LCLはCFSでコンテナから取り出して仕分けし、荷主ごとに引き渡します。
- FCLとLCLのどちらが得かは、運賃、詰める作業の料金、港までの運送料金を比べて決めます。
01FCLとLCL。コンテナを1社で使うか、分け合うか
FCLは1つの荷主がコンテナ1本を満たす貨物、LCLはコンテナ1本に満たない小口貨物です。LCLは、複数の荷主の貨物を1本のコンテナにまとめて運びます。
FCLはFull Container Loadの略で、1つの荷主の貨物でコンテナを満たす場合をいいます。LCLはLess than Container Loadの略で、1本に満たない小口の貨物です。LCLは他の荷主の貨物と同じコンテナに積みます。これを混載といいます。
コンテナの大きさは国際規格(ISO)で決まっていて、長さ20フィートと40フィートの2種類が主流です。40フィートは幅と高さが約2.4メートル、奥行きが約12メートルです。ジェトロによると、20フィートの最大積載重量は種類により22トン程度です。
LCL貨物を行き先ごとにまとめてコンテナに仕立てるのは、船会社とNVOCCです。NVOCCとは、自分では船を運航しない運送人のことです。混載業者とも呼ばれます。レッスン1-2で学んだフォワーダーの一種です。
02CYとCFS。コンテナターミナルの2つの拠点
CY(コンテナヤード)はコンテナの受け渡しと保管をする場所で、主にFCL貨物を扱います。CFS(コンテナフレートステーション)は、LCL貨物をコンテナに詰めたり取り出したりする施設です。
コンテナターミナルとは、コンテナ船と陸上輸送をつなぐ港の施設です。国土交通省の用語解説では、CY、CFS、マーシャリング・ヤードなどを含むとされます。マーシャリング・ヤードは、船に積む直前のコンテナを並べておく場所です。
CYでは、FCL貨物の入ったコンテナを集めて保管し、空のコンテナの受け渡しもします。荷物が詰まったコンテナを実入りコンテナといいます。CFSは、小口貨物を受け取って保管し、コンテナへの詰め込みと取り出しを行います。
ジェトロによると、船会社は通常、FCL貨物ならCYまで、LCL貨物ならCFSまで運送します。レッスン4-5で見た「FCA Yokohama CY」という書き方も、この受け渡し場所を指しています。
03FCLの輸出。荷主側がコンテナに詰めてCYへ運ぶ
FCLの輸出では、荷主側が船会社から空コンテナを借りて貨物を詰め、積付表を付けてCYに搬入します。CYのオペレーターが署名したドックレシートが、B/L発行の根拠になります。
船腹予約(レッスン1-3)をした荷主にコンテナを貸すとき、船会社はCYのオペレーターあてに引渡しの指図書を出します。そこで、詰める場所や搬入先のCYなどが指定されます。荷主側はCYで空コンテナを受け取ります。
コンテナに貨物を詰める作業をバンニングといいます。国土交通省の用語解説では、FCLは荷主の倉庫や工場でコンテナを満たす貨物です。貨物を先に保税地域に入れ、そこで詰める方法もあります。
詰めた人は、コンテナごとに中身を記したコンテナ内積付表(CLP)を作ります。CYに搬入するときは、CLPや未署名のドックレシート(D/R)、輸出許可書などを渡します。署名済みのD/Rを船会社に出すとB/Lが発行されます。B/Lはレッスン7-3で学びます。
04LCLの輸出。貨物をCFSに持ち込み、まとめて詰めてもらう
LCLの輸出では、荷主は貨物をCFSに持ち込みます。CFSのオペレーターが他の荷主の貨物とまとめてコンテナに詰め、CLPを作ってCYに搬入します。
LCLでは、荷主は貨物をCFSに持ち込み、CFSのオペレーターに引き渡します。オペレーターは貨物を点検し、問題がなければD/Rに署名して荷主側に返します。荷主側はこのD/Rを船会社に出して、B/Lを受け取ります。
CFSのオペレーターは、同じ行き先の貨物を空コンテナにまとめて詰め、CLPを作ります。その後、実入りコンテナをCYに搬入し、FCLと同じように船に積まれます。荷主が自分でコンテナに詰める必要はありません。
行き先によっては、一緒に積む貨物がすぐに集まらないことがあります。その場合は、貨物が集まるまで待つこともあります。2社以上の混載業者が協力して1本にまとめる方法もあり、これをコーロード(CO-LOAD)といいます。
05輸入側の流れと、FCLかLCLかの選び方
輸入では、FCLはCYからコンテナごと引き取り、LCLはCFSで取り出して仕分けてから引き渡します。FCLかLCLかは、運賃や作業料などを比べて決めます。
コンテナから貨物を取り出す作業をデバンニングといいます。FCLでは、輸入者側がCYからコンテナを引き取り、貨物を取り出した後、空コンテナをCYに返します。返却が決められた日数を超えると、返還遅延料がかかることがあります。
LCLでは、1本に複数の荷主の貨物が入っています。そのため、コンテナをCYからCFSに移し、すべての貨物を取り出して仕分けます。リストと実際の個数や容量を確かめて税関に届けた後、荷主ごとに引き渡します。
どちらが割安かは、FCLとLCLの運賃、バンニングの作業料、港までの運送料金を比べて判断します。長尺物や重量物などの特殊な貨物は、単独でFCLにするか特殊なコンテナが必要です。他の貨物に悪い影響を与える貨物も、LCLにはできません。
KEYWORDSキーワード(日本語・英語)
このレッスンで覚えておきたい用語です。貿易の書類や契約は英語が中心なので、英語名も一緒に覚えましょう。
1つの荷主の貨物でコンテナ1本を満たす貨物。主にCYで受け渡す。
コンテナ1本に満たない小口貨物。複数の荷主の貨物を1本のコンテナに混載して運ぶ。
コンテナの受け渡しと保管を行う場所。FCL貨物の集荷・保管や、空コンテナの受け渡しを行う。
LCL貨物の受け渡しと保管、コンテナへの詰め込みと取り出しを行う施設。
バンニングはコンテナに貨物を詰める作業、デバンニングはコンテナから貨物を取り出す作業。
コンテナごとに中身を記した表。CYに搬入するときに出し、船への積み付けや揚げ地での作業に使われる。
CYやCFSのオペレーターが貨物を受け取ったときに署名する書類。荷主側はこれを船会社に出してB/Lを受け取る。
自分では船を運航せずに運送を引き受ける業者。LCL貨物をまとめてコンテナに仕立てる。
出典
- 国土交通省「総合政策:用語の解説」(港湾用語。CY・CFS・マーシャリング・ヤード・コンテナ・ターミナル、FCL・LCL、実入コンテナ・空コンテナ、TEU)
- 国土交通省「国際海上コンテナの陸上における安全輸送ガイドライン」用語解説(ISO規格・20/40フィートが主流、CY・CFS・CLP・EDO、バンニング・デバンニング)
- ジェトロ「少量・小口貨物の輸出:日本」(貿易・投資相談Q&A。LCLとCFSでの仕立て、船会社とNVOCC、CO-LOAD、20/40フィート、FCLとLCLの比較方法、LCLにできない貨物)
- ジェトロ「本船入港時に掛かる諸掛りの種類とその内容」(貿易・投資相談Q&A。輸入LCLのCFSでの取り出し・仕分け・税関への届出、コンテナの引取りと返却、返還遅延料)
- ジェトロ「CIF契約輸入におけるTHC費用配分とその留意点:日本」(貿易・投資相談Q&A。船会社はFCLならCY、LCLならCFSまで運送)
- ジェトロ大分・大分県貿易協会「OITA TRADE & VIEWS」2023年2月号 𠮷田友之「輸出取引の仕組み(17)貨物の船積・搭載」(FCL・LCLの船積手順、CLP、ドックレシート、CYオペレーター・CFSオペレーター)
- 国土交通省 中部地方整備局 四日市港湾事務所「コンテナのこと」(20・40フィートが主流、40フィートの寸法)
LESSON 7-2 の仕上げ
確認クイズ(全3問)
読んだ直後に思い出すと、記憶に残りやすくなります。選択肢をタップして答えてください。
Q1. A社は、コンテナ1本に満たない少量の部品を輸出します。一般的な流れとして正しいものはどれですか。
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正解: 1. 貨物をCFSに持ち込み、他の荷主の貨物とまとめてコンテナに詰めてもらう
コンテナ1本に満たない貨物はLCL貨物です。CFSに持ち込むと、CFSのオペレーターが同じ行き先の貨物とまとめてコンテナに詰め、CYに搬入します。
Q2. CYとCFSの説明として、正しいものはどれですか。
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正解: 2. CYはコンテナの受け渡しと保管をする場所で、CFSは小口貨物をコンテナに詰めたり取り出したりする施設である
CYはFCL貨物のコンテナや空コンテナの受け渡し・保管を行います。CFSはLCL貨物の受け渡し、保管、詰め込み、取り出しを行う施設です。
Q3. 輸入されたLCL貨物について、正しいものはどれですか。
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正解: 3. コンテナをCFSに移し、貨物を取り出して仕分けてから荷主ごとに引き渡す
LCLのコンテナには複数の荷主の貨物が入っています。そのため、CFSで貨物を取り出して仕分け、リストと照らし合わせて税関に届けた後、荷主ごとに引き渡します。
レッスン7-2はここまでです
クイズで迷った問題があれば、その見出しの本文を読み直してから次に進みましょう。