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第6章 外国為替 ・ レッスン6-1外国為替相場の読み方。TTS・TTB・仲値
読む時間の目安: 4分 ・ 公開日 2026-10-04
前回の復習(1分)
本文に入る前に、前のレッスンの内容を思い出してみましょう。
Q1. シッパーズ・ユーザンスの説明として正しいものはどれですか。
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正解: 1. 売り手が買い手に、代金の支払いの猶予を与えること
シッパーズ・ユーザンスは、売り手(シッパー)が買い手に与える支払いの猶予です。日本の銀行がドル建ての資金を貸すのは本邦ローンです。
Q2. 信用状を受け取った輸出者が、最初にすべきこととして最も適切なものはどれですか。
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正解: 3. すぐに契約書と照らし合わせ、食い違いがあれば修正(アメンド)を求める
信用状が届いたらすぐに点検し、契約と矛盾があれば修正を求めます。船積みの後で気づいても、ディスクレになるおそれがあります。
このレッスンの学習目標
- 銀行間相場(インターバンク)と対顧客相場の違いを説明できる
- 仲値(TTM)・TTS・TTBの関係と、名前が銀行から見た言い方であることがわかる
- 輸出者と輸入者がそれぞれどの相場で円に換算されるかを計算できる
要点
- 為替相場とは、外国為替市場で異なる通貨を交換するときの交換比率のことです。
- ニュースで報じられる相場は、通常は銀行どうしのインターバンク取引の相場で、企業や個人が銀行と取引する対顧客相場とは異なります。
- 対顧客相場には、円を外貨に替えるTTS(電信売相場)と、外貨を円に替えるTTB(電信買相場)があり、その真ん中が仲値(TTM)です。
- 売り・買いは銀行から見た言い方で、TTSは銀行が外貨を売る相場、TTBは銀行が外貨を買う相場です。
- 外貨で代金を受け取った輸出者が円に替えるときはTTB、円で外貨を買って支払う輸入者はTTSが適用されます。
01為替相場とは。通貨を交換するときの比率
為替相場(為替レート)とは、外国為替市場で異なる通貨を交換するときの交換比率です。変動相場制では、市場の需要と供給で決まります。
外国為替市場とは、円やドルなど異なる通貨を交換(売買)する場のことです。特定の建物があるわけではなく、多くの取引は電話や電子機器を通じて行われます。
日本銀行は、輸入する会社が代金の支払いのために円で外貨を調達する例を挙げています。貿易では、このような通貨の交換が日常的に起こります。
為替相場は誰かが一方的に決めるものではありません。日本のような変動相場制では、モノの値段と同じく、市場の需要と供給のバランスで決まります。
02ニュースの相場と銀行の相場は違う
ニュースで報じられる円相場は、通常は銀行どうしのインターバンク取引の相場です。企業が銀行と取引するときは、銀行が公表する対顧客相場が使われます。
外国為替市場の取引は、大きく2つに分かれます。金融機関どうしが直接または外為ブローカーを通じて行うインターバンク取引と、個人や企業が金融機関と行う対顧客取引です。
「本日の東京外国為替市場の円相場は」と報じられるのは、通常はインターバンク取引の相場です。日本銀行は、対顧客取引の相場はいわば小売りの段階のもので、これとは異なると説明しています。
ジェトロによると、銀行が顧客に適用する相場は、銀行間市場の実勢相場に銀行のマージンを加えて決まります。マージンとは、手数料にあたる上乗せ分です。そのため、相場は銀行ごとに異なります。
03TTS・TTB・仲値。銀行から見た「売り」と「買い」
TTSは円を外貨に替えるときの相場、TTBは外貨を円に替えるときの相場です。仲値(TTM)はその真ん中で、売り・買いは銀行から見た言い方です。
銀行は、当日中に受け払いをする取引に使う直物相場として、TTS(電信売相場)とTTB(電信買相場)を公表しています。TTSとTTBの真ん中の値を、仲値(TTM)といいます。
TTSとTTBは、英語の電信売り(Selling)・電信買い(Buying)の略です。売り・買いは銀行の立場で見ています。TTSは銀行が顧客に外貨を売る相場で、顧客から見れば円で外貨を買うときの相場です。TTBは、銀行が顧客から外貨を買う相場です。
銀行は、TTSとTTBのほかに、外貨の現金を売買する相場や一覧払い買相場なども公表しています。国税庁は、外貨の現金を円に替える相場は、TTBから現金を持つコストなどを差し引いたものだと説明しています。
04輸出者はTTB、輸入者はTTS。数字で確かめる
外貨で受け取った代金を円に替える輸出者にはTTB、円で外貨を買って支払う輸入者にはTTSが適用されます。どちらも仲値より自分に不利な側の相場です。
ここからは説明用の例です。ある日の米ドルの仲値を1ドル=150円、TTSを151円、TTBを149円とします。実際の相場や仲値との差は、銀行や通貨、その日によって異なります。
機械メーカーのA社が米国に輸出し、代金10万ドルを受け取って円に替えるとします。銀行がドルを買う取引なのでTTBの149円が使われ、受け取りは1,490万円です。
雑貨を輸入するD社が、代金10万ドルを円で支払うとします。銀行からドルを買う取引なのでTTSの151円が使われ、支払いは1,510万円です。仲値で計算した1,500万円と比べると、どちらも10万円ずつ不利です。また実際には、契約から決済までの間に相場そのものが動きます。そのリスクはレッスン6-2で、備え方の為替予約はレッスン6-3で学びます。
KEYWORDSキーワード(日本語・英語)
このレッスンで覚えておきたい用語です。貿易の書類や契約は英語が中心なので、英語名も一緒に覚えましょう。
円やドルなど異なる通貨を交換(売買)する場。特定の建物ではなく、取引全体を指す。
外国為替市場で異なる通貨を交換するときの交換比率。
金融機関どうしが直接または外為ブローカーを通じて行う外国為替の取引。ニュースの円相場は通常この相場。
銀行が個人や企業との取引に適用する相場。銀行間の実勢相場に銀行のマージンを加えて決まる。
銀行が顧客に外貨を売る相場。顧客が円を外貨に替えるときに使われる。
銀行が顧客から外貨を買う相場。顧客が外貨を円に替えるときに使われる。
TTSとTTBの真ん中の相場。税務上の円換算でも原則としてこの相場が使われる。
銀行と顧客の取引では、当日中に受け払いをする場合に使う相場。
出典
LESSON 6-1 の仕上げ
確認クイズ(全3問)
読んだ直後に思い出すと、記憶に残りやすくなります。選択肢をタップして答えてください。
Q1. 「本日の東京外国為替市場の円相場は1ドル=○○円」というニュースの相場について、正しいものはどれですか。
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正解: 2. 通常は、金融機関どうしのインターバンク取引の相場を指している
ニュースの円相場は、通常はインターバンク取引の相場です。企業が銀行と取引するときは、これに銀行のマージンを加えた対顧客相場が使われます。変動相場制では、相場は誰かが一方的に決めるものではありません。
Q2. TTS(電信売相場)の「売り」は、誰から見た言い方ですか。
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正解: 1. 銀行から見た言い方で、銀行が顧客に外貨を売る相場である
TTSとTTBの売り・買いは、銀行の立場から見た言い方です。TTSは銀行が外貨を売る相場で、顧客から見れば円で外貨を買うときの相場になります。
Q3. 説明用の例として、ある日の米ドルの相場がTTS 151円、仲値150円、TTB 149円だったとします。輸出者が受け取った代金2万ドルを、この日に円に替えると何円になりますか。
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正解: 3. 298万円
外貨を円に替えるのは銀行が外貨を買う取引なので、TTBが使われます。2万ドル×149円=298万円です。302万円はTTS、300万円は仲値で計算した金額です。
レッスン6-1はここまでです
クイズで迷った問題があれば、その見出しの本文を読み直してから次に進みましょう。