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第13章 貿易実務英語 ・ レッスン13-3

英文の信用状を読む。MT700の項目と定番フレーズ

読む時間の目安: 5分 ・ 公開日 2026-10-04

前回の復習(1分)

本文に入る前に、前のレッスンの内容を思い出してみましょう。

レッスン13-2から

Q1. "Notwithstanding Article 5, Buyer may inspect the Products."の意味として正しいものはどれですか。

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正解: 1. 第5条の規定にかかわらず、買主は商品を検査することができる
notwithstandingは「〜にかかわらず」、mayは「〜することができる」です。第5条の内容があっても、この文を優先させる書き方です。

レッスン12-2から

Q2. 日本の仲裁法における仲裁合意について、正しいものはどれですか。

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正解: 3. 書面でする必要があり、電子メールなどの電磁的記録も書面とみなされる
仲裁法第13条は、仲裁合意を書面でするよう求め、電磁的記録も書面とみなしています。将来の紛争についても合意でき、契約時の仲裁条項が一般的です。

このレッスンの学習目標

要点

  1. 英文の信用状を読むとは、:44C:のような項目番号ごとに、何が条件になっているかを確かめることです。
  2. MT700はSWIFTの電文形式で、40Aは信用状の形式、31Dは有効期限と場所、32Bは通貨と金額、44Cは最終船積日を表します。
  3. 46Aは必要書類の欄です。"made out to order and blank endorsed"は、指図式で発行し白地裏書をしたB/Lを求める表現です。
  4. 保険金額の指定がなければ、UCP600ではCIFまたはCIP価額の110%以上が必要です。"in duplicate"は原本1通以上と残りは写しで足ります。
  5. 書類は信用状どおりに作る必要があるため、届いたらすぐ項目ごとに契約と照らし合わせます。

01信用状は項目番号ごとに読む。MT700の基本

英文の信用状は、SWIFTの電文形式MT700で書かれることがあり、項目ごとに:40A:のような番号が付きます。番号の意味を知れば、長い英文も項目単位で読めます。

日本の機械メーカーA社が、タイのB社から信用状を受け取った場面で考えます。当事者はレッスン5-2、取引の流れはレッスン5-3で学びました。ICCは、SWIFTの電文形式MT700で信用状を作るときの、項目ごとの注意点を公表しています。各項目には:40A:や:32B:のような番号(タグ)が付いています。

40A(Form of Documentary Credit)は信用状の形式で、IRREVOCABLE(取消不能)などと書きます。31D(Date and Place of Expiry)は有効期限と場所です。日付は「年・月・日」を2桁ずつ並べ、261130なら2026年11月30日です。

50(Applicant)は発行依頼人、59(Beneficiary)は受益者の名称と住所です。32B(Currency Code, Amount)は通貨コードと金額です。A社はまず、自社の名前と金額が契約どおりかを確かめます。

02船積みの条件を読む。43P・43T・44C・45A

43Pは分割船積み、43Tは積替え、44Cは最終船積日、45Aは商品の明細です。特に44Cは、有効期限や呈示期限と合わせて確かめます。

43P(Partial Shipments)は分割船積みの可否です。"ALLOWED"なら認める、"NOT ALLOWED"なら認めないという意味です。UCP600第31条aは、分割船積みは原則として認められると定めています。

43T(Transhipment)は積替えの可否です。積替えとは、運送の途中で貨物を別の船に積み替えることです(UCP600第20条b)。ICCは、複合運送の書類を使うなら、積替えを禁止してはならないとしています。

44C(Latest Date of Shipment)は最終船積日です。ICCは、最終船積日に呈示期間の21日を足した日が、有効期限になるよう勧めています。45A(Description of Goods)には商品の明細と取引条件が書かれ、ICCは短く簡潔にするよう勧めています。

03必要書類の欄(46A)で船荷証券のフレーズを読む

46Aは銀行に出す書類の一覧です。船荷証券は"Full set of clean on board ocean bills of lading made out to order and blank endorsed"のように書かれます。

46A(Documents Required)は必要書類の欄です。"Full set of"は「全通」で、原本が複数あればその全部を出すという意味です(UCP600第20条a)。"clean on board"は無故障の船積船荷証券を指します。B/Lの種類はレッスン7-3で学びました。

"made out to order"は、荷受人(consignee)欄を「指図により(to order)」とする指図式です。"blank endorsed"は、裏面に相手を書かずに荷送人が署名する白地裏書です。ジェトロは、信用状どおりの記載でなければ買取りは行われないとしています。

"notify applicant"は、着荷通知先(notify party)を発行依頼人にするという意味です。"freight prepaid"は「運賃前払い」で、運賃込みのCFRやCIFの契約と食い違わないか確かめます。銀行に出す書類一式はレッスン11-2で学びます。

04保険書類と追加条件(47A)を読む

保険書類では、保険金額・書類の通数・保険条件を読み取ります。47Aは追加条件の欄で、ここに思わぬ条件が入っていないかも確かめます。

CIF契約では"Insurance policy or certificate in duplicate endorsed in blank for 110% of invoice value covering ICC(A)"と書かれます。「保険証券または保険承認状を2通、白地裏書で、インボイス金額の110%、協会貨物約款(A)で」という意味です。

UCP600第17条eにより、"in duplicate"は原本1通以上と残りを写しで出せば足ります。第28条fでは、指定された割合は最低額とみなされます。指定がなければ、CIFまたはCIP価額の110%以上が必要です。保険の通貨は信用状と同じにします。

ICC(A)は、協会貨物約款(Institute Cargo Clauses)のA条件です。条件の違いはレッスン9-2、保険金額はレッスン9-3で学びます。47A(Additional Conditions)は追加条件の欄です。守れない条件があれば、船積み前に修正を求めます。

KEYWORDSキーワード(日本語・英語)

このレッスンで覚えておきたい用語です。貿易の書類や契約は英語が中心なので、英語名も一緒に覚えましょう。

MT700MT700 (Issue of a Documentary Credit)

SWIFTの電文形式の1つで、信用状の発行に使われる。項目ごとに:40A:のような番号が付く。

有効期限と場所Date and Place of Expiry (31D)

信用状の書類を呈示できる最終日と、その場所。ICCは受益者の国にするよう勧めている。

最終船積日Latest Date of Shipment (44C)

貨物を船積みしなければならない最終の日。呈示期間や有効期限と合わせて確かめる。

分割船積みPartial Shipments (43P)

注文の品物を何回かに分けて船積みすること。UCP600では原則として認められる。

積替えTranshipment (43T)

運送の途中で、貨物を別の船など他の輸送手段に積み替えること。

必要書類Documents Required (46A)

受益者が銀行に呈示しなければならない書類の一覧。インボイス、船荷証券、保険書類などが並ぶ。

着荷通知先Notify party

運送書類に記載される、貨物の到着を知らせる相手。信用状では発行依頼人とされることがある。

白地裏書Blank endorsement

証券の裏面に、譲る相手(被裏書人)を書かずに署名だけをする裏書。

出典

  1. ICC Banking Commission, Digital Commercialisation Briefing Paper No. 3 "eUCP SWIFT MT700 format"(2024年4月2日。MT700の40A・31D・50・59・32B・43P・43T・44C・45A・46A・47Aの項目名と記載上の注意)
  2. ICC Digital Library, "UCP 600: Uniform Customs and Practice for Documentary Credits"(第14条j、第17条e、第20条a・b、第27条、第28条e・f、第31条a)
  3. ジェトロ「船荷証券の白地裏書」(貿易・投資相談Q&A。"Made out to Order and Blank Endorsed"の意味)
  4. ジェトロ「船積船荷証券(Shipped B/L)受取船荷証券(Received B/L)の違い:日本」(貿易・投資相談Q&A。信用状で求められるClean On Board Ocean Bills of Lading)
  5. ジェトロ「インコタームズ2020」(貿易・投資相談Q&A。CFR=運賃込み、CIF=運賃保険料込み)
  6. ジェトロ大分「OITA TRADE & VIEWS 貿易実務 輸出取引の仕組み(15)9.貨物保険」(協会貨物約款(Institute Cargo Clauses)とICC〔A〕条件)
  7. 税関「積荷目録(Customs Form C No.2031)」(着荷通知先=Notify Party)

LESSON 13-3 の仕上げ

確認クイズ(全3問)

読んだ直後に思い出すと、記憶に残りやすくなります。選択肢をタップして答えてください。

Q1. MT700形式の英文信用状で、貨物を船積みしなければならない最終の日が書かれている項目はどれですか。

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正解: 2. 44C Latest Date of Shipment
44Cは最終船積日です。31Dは信用状の有効期限と場所、32Bは通貨と金額です。最終船積日と有効期限は別の項目なので、取り違えないよう注意します。

Q2. 信用状に保険書類が求められていますが、保険金額の指定がありません。UCP600のもとで必要な保険金額はどれですか。

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正解: 3. CIFまたはCIP価額の110%以上
UCP600第28条fにより、保険金額の指定がない場合は、CIFまたはCIP価額の少なくとも110%が必要です。割合が指定されている場合は、その割合が最低額とみなされます。

Q3. 信用状の必要書類欄に"bills of lading made out to order and blank endorsed"とあります。正しい読み方はどれですか。

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正解: 1. 荷受人欄を「指図により(to order)」とし、荷送人が相手を書かずに裏書した船荷証券
"made out to order"は荷受人欄を指図式にすること、"blank endorsed"は被裏書人を書かずに署名する白地裏書です。運賃前払いは"freight prepaid"、到着の通知先は"notify"で表します。

レッスン13-3はここまでです

クイズで迷った問題があれば、その見出しの本文を読み直してから次に進みましょう。

第13章 貿易実務英語 のレッスン一覧
  1. 13-1商業英単語・略語
  2. 13-2英文売買契約書を読む
  3. 13-3英文の信用状
  4. 13-4コレスポンデンス

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