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第10章 通関と関税 ・ レッスン10-1輸出通関の流れ。申告から審査、許可、船積みまで
読む時間の目安: 5分 ・ 公開日 2026-10-04
前回の復習(1分)
本文に入る前に、前のレッスンの内容を思い出してみましょう。
Q1. 販売契約に入れる「買主が売主を補償する条項」について、正しいものはどれですか。
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正解: 1. 売主と買主の間では有効でも、被害者からの賠償請求を防ぐことはできない
補償条項や保証を限定する条項は、売主と買主の間の取り決めです。ジェトロは、これらは被害者に対抗できないと説明しています。そのため保険や安全対策と組み合わせて備えます。
Q2. 保険承認状(Insurance Certificate)について正しいものはどれですか。
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正解: 1. 保険証券の内容を簡略に記した書類で、保険金の請求では保険証券と同じ効力を持つ
保険承認状は保険会社が発行する書類で、保険証券の内容を簡略にしたものです。保険金の請求では、保険証券と同じ効力を持ちます。
このレッスンの学習目標
- 輸出申告を誰が、どの税関に対して行うのかを説明できる
- 輸出申告書の主な記載事項と、必ず必要な添付書類がわかる
- 簡易審査・書類審査・検査の3つの審査区分の違いを説明できる
要点
- 輸出通関とは、貨物を輸出するために税関に輸出申告をし、必要な審査や検査を経て輸出の許可を受ける手続のことです。
- 輸出申告は輸出者が行い、通関業者が代理することもできます。申告先は原則として、貨物を入れる保税地域等を所轄する税関です。
- 申告書には品名・数量・価格や仕向地などを書き、仕入書(インボイス)を添えます。他法令の許可が必要な貨物は、その証明も必要です。
- NACCSを使った申告は、簡易審査(区分1)・書類審査(区分2)・検査(区分3)のいずれかに振り分けられます。
- 輸出の許可を受けた貨物は関税法上の外国貨物となり、保税地域から船や航空機に積み込まれます。
01輸出申告は誰が、どの税関にするのか
輸出申告は輸出者が行い、通関業者に代理させることもできます。申告先は原則として、貨物を入れる保税地域等の所在地を所轄する税関です。
関税法では、貨物を輸出するには税関に申告し、必要な検査を経て許可を受けなければならないと定めています。この申告を輸出申告といいます。申告するのは貨物の輸出者ですが、実際には委任を受けた通関業者が代理で申告することが多くあります。
申告先は、原則として貨物を入れる保税地域等の所在地を所轄する税関です。保税地域とは、輸出入の貨物を置く場所として財務大臣が指定し、または税関長が許可した場所です。申告は貨物を保税地域に入れる前でもできますが、許可は原則として搬入した後に出されます。
例外として、2017年10月8日から輸出入申告官署の自由化が実施されています。AEO(認定事業者)の輸出者などは、貨物の場所に関係なく、どの税関に申告してもよいというしくみです。AEOの通関業者に手続を任せた輸出者も対象です。この場合はNACCSで申告するのが原則です。AEO制度はレッスン10-5で学びます。
02輸出申告書の記載事項と添付書類
申告書には品名・数量・価格、仕向地と仕向人、積み込む船や航空機の名称、貨物の置き場所などを書きます。添付書類として仕入書(インボイス)が必要です。
輸出申告は、輸出(積戻し)申告書を税関に出して行います。主な記載事項は次のとおりです。(1)貨物の記号・番号・品名・数量・価格、(2)仕向地と仕向人の住所・氏名、(3)積み込む船や航空機の名称、(4)貨物の置き場所などです。仕向人とは、貨物を受け取る外国の相手のことです。
添付書類として、仕入書(インボイス)またはそれに代わる書類が必要です。仕入書とは、売り手が作る貨物の明細と代金の請求書です。場合によっては、包装明細書(パッキングリスト)なども求められます。また税関は、確認のために必要なときは契約書などの提出を求めることができます。書類の中身はレッスン11-1で詳しく学びます。
関税関係以外の法令(他法令)で許可や承認が必要な貨物もあります。その場合は申告や審査の際に、許可などを受けていることを税関に証明します。証明できなければ輸出は許可されません。外為法の許可が代表例で、レッスン2-1で学んだ内容です。
03税関の審査区分。区分1・2・3の違い
NACCSを使った申告は、簡易審査扱い(区分1)、書類審査扱い(区分2)、検査扱い(区分3)に振り分けられます。区分1は税関職員による審査や検査が不要です。
輸出申告の多くは、NACCS(輸出入・港湾関連情報処理システム)というオンラインのシステムで行われます。NACCSは、貨物の輸出入について税関などへの手続をオンラインで処理するシステムです。しくみはレッスン11-3で学びます。
NACCSで申告すると、審査区分が決まって通知されます。簡易審査扱い(区分1)は税関職員による審査や検査が不要で、そのまま許可されます。書類審査扱い(区分2)は申告内容や書類を税関職員が審査します。検査扱い(区分3)は、書類に加えて実際の貨物を検査します。
区分1の申告は、税関の開庁時間外でもシステムで許可されます。区分2や区分3は、時間外に区分の通知は来ますが、審査や検査は翌開庁日の開庁時間内に行われます。急ぐ貨物ほど、早めに申告する必要があります。
04輸出の許可と船積み
輸出の許可を受けた貨物は、関税法上の外国貨物になります。外国貨物は原則として保税地域にしか置けないため、保税地域から船や航空機に積み込まれます。
審査や検査で問題がなければ、税関長が輸出を許可します。許可を受けた貨物は、関税法では外国貨物として扱われます。まだ日本の港にあっても、外国から着いた輸入前の貨物と同じ扱いになります。
外国貨物は、原則として保税地域以外の場所に置くことはできません。そのため貨物は保税地域から船や航空機に積み込まれ、外国へ送り出されます。海上輸送なら、船積みの後に船会社が船荷証券(B/L)を発行します。B/Lについては第7章で学びました。
例外として、AEOの輸出者などは特定輸出申告などの制度を使えます。貨物を保税地域に入れないまま、自社の工場や倉庫に置いた状態で輸出の許可を受けられるしくみです。詳しくはレッスン10-5で学びます。
KEYWORDSキーワード(日本語・英語)
このレッスンで覚えておきたい用語です。貿易の書類や契約は英語が中心なので、英語名も一緒に覚えましょう。
貨物の品名・数量・価格などを税関に申告し、輸出の許可を求める手続。
輸出入の貨物を置く場所として、財務大臣が指定し、または税関長が許可した場所。
AEOの輸出入者などが、貨物の置き場所に関係なく、どの税関にも申告できるしくみ。2017年10月に実施。
売り手が作る貨物の明細と代金の請求書。輸出申告の添付書類として必要。
NACCSでの申告が振り分けられる区分。簡易審査(区分1)・書類審査(区分2)・検査(区分3)がある。
輸出の許可を受けた貨物と、外国から着いて輸入の許可前の貨物。原則として保税地域にしか置けない。
AEOの輸出者が、貨物を保税地域に入れないまま輸出の許可を受けられる申告。
出典
LESSON 10-1 の仕上げ
確認クイズ(全3問)
読んだ直後に思い出すと、記憶に残りやすくなります。選択肢をタップして答えてください。
Q1. 輸出申告の申告先について、原則として正しいものはどれですか。
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正解: 2. 輸出の許可を受けるために貨物を入れる保税地域等の所在地を所轄する税関
輸出申告は、原則として貨物を入れる保税地域等の所在地を所轄する税関に対して行います。AEOの輸出者などは、申告官署の自由化により、どの税関にも申告できます。
Q2. NACCSを使った輸出申告で、税関職員による審査や検査が不要とされる審査区分はどれですか。
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正解: 1. 簡易審査扱い(区分1)
簡易審査扱い(区分1)は審査や検査が不要で、開庁時間外でもシステムで許可されます。区分2は書類審査、区分3は貨物の検査が行われます。
Q3. 輸出の許可を受けた後の貨物について、正しいものはどれですか。
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正解: 3. 関税法上の外国貨物となり、原則として保税地域以外には置けない
輸出の許可を受けた貨物は外国貨物になります。外国貨物は原則として保税地域以外に置けないため、保税地域から船や航空機に積み込まれます。
レッスン10-1はここまでです
クイズで迷った問題があれば、その見出しの本文を読み直してから次に進みましょう。