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第8章 航空輸送と複合輸送 ・ レッスン8-1航空貨物の流れと航空運賃。混載と容積重量のしくみ
読む時間の目安: 5分 ・ 公開日 2026-10-04
前回の復習(1分)
本文に入る前に、前のレッスンの内容を思い出してみましょう。
Q1. 容積で数えると4トン、重量で数えると3トンになる貨物があります。賃率が1トンあたり50ドルのとき、基本運賃はいくらですか(説明のための例)。
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正解: 2. 200ドル
フレートトンは容積と重量の高い方のトン数です。4トン×50ドル=200ドルになります。2つを足して計算するのではありません。
Q2. A社は、コンテナ1本に満たない少量の部品を輸出します。一般的な流れとして正しいものはどれですか。
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正解: 1. 貨物をCFSに持ち込み、他の荷主の貨物とまとめてコンテナに詰めてもらう
コンテナ1本に満たない貨物はLCL貨物です。CFSに持ち込むと、CFSのオペレーターが同じ行き先の貨物とまとめてコンテナに詰め、CYに搬入します。
このレッスンの学習目標
- 航空輸送が使われる貨物の特徴と、輸出入の大まかな流れを説明できる
- 混載業者が小口貨物をまとめる理由を、重量逓減制と結びつけて説明できる
- 実重量と容積重量から運賃計算重量を求め、航空運賃を計算できる
要点
- 航空貨物とは、航空機で運ぶ貨物のことです。速い代わりに運賃が高く、急ぐ貨物や、軽くて値段の高い貨物によく使われます。
- 日本の航空輸出は、ほとんどがフォワーダーに任されます。フォワーダーが航空会社のスペースを確保し、保税地域で通関してから航空機に積みます。
- 今の航空貨物は、混載業者が小口貨物をまとめて大口にする混載が主流です。重くなるほど単価が下がる重量逓減制の運賃が、その理由です。
- 輸入では、着いた貨物が空港の保税蔵置場に入り、到着通知が届きます。輸入者が選んだ業者が通関し、許可を得て引き取ります。
- 航空運賃は、実重量と容積重量(6,000cm3を1kgとして換算)の大きい方に、重さの段階ごとの単価をかけて計算します。
01航空輸送が選ばれる貨物。速いが運賃は高い
航空輸送は、速い代わりに運賃が高い輸送手段です。生花や医薬品のように急ぐ貨物や、軽くて値段の高い貨物によく使われます。
農林水産省の輸出マニュアルは、航空機なら輸送時間が短く早く着く一方、運賃が高くなると説明しています。船は運賃が安い代わりに、着くまで多くの日数がかかります。どちらを使うかは、貨物の性質と納期で決めます。
ジェトロによれば、航空貨物には生花、鮮魚、医薬品など、納期を急ぐものが多くあります。国土交通省の資料では、2009年の日本の国際貨物のうち、航空輸送は重量では1%未満でした。一方、金額では輸出の29%、輸入の24%を占め、高価な貨物を担っています。
ただし、航空機には積める重さや大きさに限りがあります。ジェトロは、高さが150cmを超えるような大型貨物は、旅客機に積めない場合があるとしています。危険品にも、船より厳しい基準があります。
02輸出の流れ。フォワーダーに任せ、保税地域で通関する
日本の航空輸出は、ほとんどがフォワーダーに任されます。フォワーダーが航空会社のスペースを確保し、保税地域で輸出通関をしてから航空機に積みます。
航空輸送の頼み方には、航空会社と直接契約する方法と、航空フォワーダーを使う方法があります。農林水産省の輸出マニュアルによれば、日本では後者が中心です。直接契約は、貴重品や、混載サービスがない行き先の貨物などに限られます。
フォワーダーは輸出者に代わって、航空会社から積み込みのスペースを確保し、貨物を引き取ります。貨物は保税蔵置場などの保税地域にいったん置かれ、そこで輸出通関をします。保税地域とは、税関が定める、通関前の貨物を置いておく場所です。
輸出が許可されると、貨物は航空機用のコンテナに詰められて積み込まれます。海上輸送と違い、輸出者がコンテナに詰めることはありません。また、爆発物検査などの保安検査の手順が増えています。ジェトロは、時間に余裕を持って貨物と書類を搬入するよう勧めています。
03混載のしくみ。小口貨物をまとめて大口にする
混載とは、混載業者が多くの荷主の小口貨物を集め、行き先ごとに大口貨物にまとめて航空会社に運んでもらうことです。今の航空貨物では、この形が主流です。
混載業者(コンソリデーター)は、レッスン1-2で学んだフォワーダーの一種です。小口貨物を行き先ごとにまとめ、自分が荷送人となって航空会社と運送契約を結びます。実際に運ぶのは航空会社です。
ジェトロによれば、荷主が混載業者を使うことがほとんどなのは、航空運賃が重量逓減制だからです。重量逓減制とは、重くなるほど1kgあたりの単価が下がるしくみです。小口貨物も、まとめて重くすれば安い単価が使えます。
混載では、運送状が2種類になります。航空会社が混載業者に出すのがマスター・エア・ウェイビル(MAWB)、混載業者が荷主に出すのがハウス・エア・ウェイビル(HAWB)です。航空運送状のしくみは、レッスン8-2で学びます。
04輸入の流れ。保税蔵置場に入り、通関して引き取る
輸入では、着いた貨物が空港の保税蔵置場に運ばれ、輸入者に到着通知が届きます。輸入者が選んだ業者が通関し、輸入許可を得てから引き取ります。
ジェトロによれば、航空機が着くと、貨物はコンテナのまま貨物ターミナルの保税蔵置場に運ばれます。すぐにコンテナから出され、仕分けと点検の後、輸入者に到着通知(Arrival Notice)が届きます。
輸入者は航空貨物の取扱業者を指定し、通関を任せます。業者は航空会社から荷渡指図書(D/O)を受け取って貨物を引き取り、輸入申告をします。関税と消費税を納め、輸入許可を得たら国内に引き取れます。
信用状(L/C)を使う取引では、航空運送状の荷受人欄に銀行が指定されていることがあります。その場合は、銀行のサインを受けた引渡指図書(Release Order)が必要です。この点もレッスン8-2で詳しく扱います。
05航空運賃の計算。実重量と容積重量の大きい方を使う
航空運賃は、実重量と容積重量の大きい方に、重さの段階ごとの単価をかけて計算します。容積重量は、6,000cm3を1kgとして換算します。
IATA(国際航空運送協会)は、容積(cm3)を6,000で割って容積重量を出すのが一般的なルールだとしています。実重量と容積重量の大きい方が、運賃の計算に使われます。この重さを運賃計算重量といいます。軽くてかさばる貨物ほど、容積重量で計算されやすくなります。
単価は一律ではなく、重量が増えるほど安くなります。農林水産省の資料では、最小運賃と、45kgまで、45kg超、100kg超といった重さの段階ごとの単価が例として示されています。
計算例です(数字はすべて説明のための例です)。縦60cm、横50cm、高さ40cmの箱で、実重量が12kgの貨物があります。容積は120,000cm3で、6,000で割ると容積重量は20kgです。大きい方の20kgを使い、単価が1kgあたり1,000円なら、運賃は20,000円になります。
IATAの解説では、運賃のほかに燃油サーチャージやセキュリティ・サーチャージ、空港での取扱料金などが挙げられています。運賃は改定されるので、事前にフォワーダーや航空会社に確かめます。
KEYWORDSキーワード(日本語・英語)
このレッスンで覚えておきたい用語です。貿易の書類や契約は英語が中心なので、英語名も一緒に覚えましょう。
輸出者などに代わって航空会社のスペースを確保し、貨物の引き取りや通関、航空機への積み込みまでを引き受ける業者。
多くの荷主から小口貨物を集め、行き先ごとに大口貨物にまとめて実運送人に引き渡す業者。
貨物が重くなるほど、1kgあたりの運賃の単価が安くなる運賃のしくみ。
MAWBは航空会社が混載業者に、HAWBは混載業者が荷主に発行する航空運送状。
保税地域の一つ。輸出入の通関が済む前の貨物を置いておく場所で、空港の貨物ターミナルにもある。
貨物の容積を重さに換算したもの。航空貨物では一般に、容積(cm3)を6,000で割って求める。
航空運賃の計算に使う重さ。実重量と容積重量のうち大きい方。
貨物が着いたことを、運送側が輸入者に知らせる通知。
出典
- ジェトロ 貿易・投資相談Q&A「マスター・エア・ウェイビルとハウス・エア・ウェイビルの違い」
- ジェトロ 貿易・投資相談Q&A「物流業者の種類と概要:日本」
- ジェトロ 貿易・投資相談Q&A「輸入貨物の到着から引き取りまでの手続き:日本」
- ジェトロ 貿易・投資相談Q&A「航空貨物として輸送できないもの、特別な条件が付くもの:日本」
- ジェトロ 貿易・投資相談Q&A「貨物運賃の基準および運賃以外の費用:日本」
- 農林水産省 輸出円滑化マニュアル(米国、2006年度)第3章「日米国際輸送関連業務」(PDF)
- 国土交通省航空局「航空物流レポート」(2011年3月、PDF)
- IATA "Air Cargo Tariffs and Rules: What You Need to Know"
LESSON 8-1 の仕上げ
確認クイズ(全3問)
読んだ直後に思い出すと、記憶に残りやすくなります。選択肢をタップして答えてください。
Q1. 縦80cm、横50cm、高さ30cmの箱で、実重量が15kgの航空貨物があります。単価が1kgあたり800円のとき、運賃はいくらですか(説明のための例)。
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正解: 3. 16,000円
容積は120,000cm3で、6,000で割ると容積重量は20kgです。実重量15kgより大きいので20kgを使い、20kg×800円=16,000円です。実重量と容積重量を足すのではありません。
Q2. 航空貨物で、荷主が混載業者を使うことがほとんどなのはなぜですか。
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正解: 1. 航空運賃が、重くなるほど1kgあたりの単価が下がる重量逓減制だから
ジェトロによれば、航空運賃が重量逓減制になっているため、混載業者を使うケースがほとんどです。航空会社との直接契約もでき、貴重品などで使われます。
Q3. 航空機で着いた輸入貨物について、正しい説明はどれですか。
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正解: 2. 貨物は空港の保税蔵置場に運ばれ、輸入者に到着通知が届いた後、通関して引き取る
航空貨物も、まず保税蔵置場に入ります。到着通知を受けた輸入者が業者に通関を任せ、関税と消費税を納めて輸入許可を得てから引き取ります。
レッスン8-1はここまでです
クイズで迷った問題があれば、その見出しの本文を読み直してから次に進みましょう。